COLUMN
お役立ちコラム
2025.11.18|糖尿病ワールドダイアベティスデイスティグマ
みなさま、こんにちは。いきなりですが、糖尿病対策において毎年11月が特別な月とされていることをご存じでしょうか。実は、11月14日が1921年にインスリンを発見したバンティング博士の誕生日であることを記念し、前後の一週間をダイアベティスウィークとして、全国各地で一般向けの講演会や健康相談、街頭での広報活動などが毎年開催されています。11月14日は、World Diabetes Day(ワールドダイアベティスデイ/略称:WDD)として、今年も淡海医療センターを含めた日本の各地でブルーライトアップが行われました。

淡海医療センター

淡海ふれあい病院
糖尿病対策の公益団体を代表する日本糖尿病学会、JADEC(日本糖尿病協会)は、IDF(世界糖尿病連合)とも連携して糖尿病のアドボカシー活動を行ってきました。
今年の第61回 ダイアベティス ウィークのポスターの標語は、
“「糖尿病」から、世界共通語の Diabetes”「ダイアベティス」へ” です。
引き続いて、「あなたは糖尿病の本当の姿を知らない。」
糖尿病は、食べすぎや運動不足だけが原因ではありません。子どもの頃から治療を続けている人もいます。誰にでも起こりうる病気です。だからこそ、まず「知ること」から始めませんか?ほんとうの糖尿病のこと。そして、糖尿病とともに生きる人のこと。
とも記載されています。
この病名変更についての議論が、2023年以降継続されているのですが、その背景について少し触れてみたいと思います。
糖尿病という病名は、明治時代から使われており、日ごろから慣れ親しんだ言葉ではありますが、実際には遺伝、年齢、性別、病型、合併症の進行度などは多種多様です。だれでもたまたま糖尿病を発症してしまうことはありうるのですが、一般的には、糖尿病患者=‘食事療法などが守れない人’ (生活習慣が悪い人)のようなステレオタイプ的なとらえ方をしてしまいがちではないでしょうか?
その一方で、糖尿病や合併症の診断・治療においてこの100年の医学の進歩により検査、薬物療法が飛躍的に進歩し、その恩恵も受けられるようになりました。‘糖尿病とともに生きる人’が肉体的により健康でいられるためのツールは充実してきましたが、精神的、社会的にも健康であるためには、社会全体として糖尿病の特性についての理解がさらに深く、広いものになり、誤解がなくなるように努めることが大切です。同時に生活習慣病に対して全般より早期からの予防を目指して、望ましい食事療法や運動療法を社会全体で実践していくことも重要です。ぜひ地域の皆様にも、このような教育や広報活動に関心を持っていただき、支援や積極的参加をしていただきたいと思います。

日本糖尿病学会 編・著:糖尿病治療ガイド2022-2023
ここでは糖尿病をとり上げましたが、負のスティグマ(特定の属性を持っている人に対してネガティブなレッテルを貼り付けること)は、他の疾患でも認められます。例えば、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の流行の初期など、ウイルスの特性がわからず社会全体に恐怖心や不安感が強かったせいか、たまたまその時期に感染した人への風当たりがあまりにも強烈であったことはいまだによく覚えています。生活習慣病であれ、感染症であれ、病気を正しく理解することで、スティグマが排除され、必要な人が適切な予防や治療を受けられるようにすること、もし合併症が進行してADLが低下した場合でも、必要な介護サービスがシームレスに受けられるようにすることはとても大切です。地域住民の協力のもとに、湖南メディカル・コンソーシアムや関係機関が整備されてきた医療・介護のネットワークが発展し、さらに充実したものになることを期待しています。

龍谷大学 農学部 食品栄養学科 山本 泰三
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