COLUMN
お役立ちコラム
2025.10.23|ヤングケアラー子ども子どもとしての時間
介護というと「大人が高齢の親や家族を支えること」を思い浮かべるかもしれません。実は日本には、家族の介護や世話を担う子どもたちがいます。18歳未満で、家族の世話や介護、家事・心の支えを日常的に担っている子どもたちは「ヤングケアラー」と呼ばれています。最近ようやく、日本社会の中でこの問題への関心が広がり始めました。
全国調査によると、中学2年生の17人に1人が家族の世話をしていると答えています。ケアに費やす時間は、1日に3時間以内が約4割 、3〜7時間以上に及ぶ子どもが 3割を超えています。全体の約8割が「幼いきょうだいの世話」をしています。高校生では通信制の生徒の方が、全日制の生徒よりもケアにかける時間が長いという結果もあります。家族の世話を始める平均年齢はなんと9.9 歳です。

出典:こども家庭庁 令和7年度 https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/001510066.pdf
その主な理由には、次の気持ちがあります。
子どもは家族のケアを担っていることを「ごく当たり前」のことだと考えて日々生活しています。だからこそ助けを求めること自体や、自分が助けを求めていい立場とは考えることができません。
子どもたちには次の多岐にわたる負担があります。
一見、しっかりして明るく振る舞っている子どもでも、実は大きな負担や重荷を背負っていることがあります。
ヤングケアラーを支える一歩は、「存在に気づくこと」です。子どもたちが日常の中で発信している次のような小さな変化やS O Sのサインに目を向けてください。
「最近少し疲れてない」「何かあった」などとそっと優しく言葉をかけてみてください。「あなたが介護するのはおかしい」などと指導したり、「どうして」と問い詰めたりしないでください。大切なことは「大変だったね」「話してくれてありがとう」と寄り添う言葉で、子どもの気持ちを受け止めてください。周りの大人の温かい姿勢が大きな安心につながります。
介護や世話をしている子どもとその家庭だけでは現状を変えることができません。地域のみんなで、子どもを含めた家族全体を支えることが「地域で子どもを育む」ことにつながります。
・子どもに関わる教職員・ボランティア・他の保護者・地域の人・習い事の先生などは、身近な子どもの小さな変化を見逃さないでください。
・病気や障害のあるご家族に関わる病院・福祉施設・地域の援助機関の専門職や支援者は、患者や要介護者を見るとともに、子どもが主な介護力(ケアラー)になっていないか、家族全体を見てください。
・この地域に暮らし、働く私たち一人ひとりは、「もしかしたら、あの子も誰かを支えているかもしれない」と心を向けてください。
かぞくのことをおもって、かじやおてつだいをすることはたいせつなことだよね。だから、それを「あたりまえ」「ふつうのこと」とおもっているかもしれないね。 でもね。「すこしさみしいな」「ほんとはあそびたいな」とおもうときがあるよね。また 、あまりおともだちとあそべない 、しゅくだいやべんきょうするじかんがない、 がっこうにいけない、じぶんのじかんがとれないなどがあるときは、あなたをせめないで、あんしんしてはなしをきき、いっしょにかんがえてくれるおとながいます。ひとりでがんばらなくてだいじょうぶ。もしよかったら、れんらくしてね。
こころんだいやる 0120-0-78310 (むりょうでかけられます)
こころんLINE ☞ https://kodomoshien.cfa.go.jp/young-carer/about/

出典
・滋賀県県庁ホームページ https://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/kosodatekyouiku/kosodate/338180.html
・『しょうがくせいのみなさんへ「ヤングケアラーについて知ろう」』 https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/5533747.pdf
・『中高生のみなさんへ「ヤングケアラーについて知ろう」』https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/5533748.pdf 滋賀県子ども若者部子どもの育ち学び支援課
一人で抱え込まず、専門機関に相談してください。
ケアを受けているご家族の皆さまは、ご自身の病気や障害と生活、そして何よりお子様のことを大切に思っていらっしゃることと存じます。お子様が家族を大切に思っている気持ちを尊重しつつ、安心して「子ども」として過ごせるよう、地域全体でサポートします。
病院や施設、地域の行政機関には相談する窓口があります。どうぞ、ためらわずにご相談下さい。お子様の気持ちとご家族全体の状況に寄り添いながら一緒に生活を考えていきます。
こども家庭庁 ヤングケアラー相談窓口検索(都道府県別・市町村別) ☞ https://kodomoshien.cfa.go.jp/young-carer/consultation/

【参考文献】
・こども家庭庁「ヤングケアラーのこと」https://kodomoshien.cfa.go.jp/young-carer/about/
・「ヤングケアラーの実態に関する調査研究報告書(令和3年)」三菱UFJリサーチ&コンサルティング https://www.murc.jp/wp-content/uploads/2021/04/koukai_210412_7.pdf
・「ヤングケアラーの実態に関する調査研究(2022年)」日本総研https://www.jri.co.jp/page.jsp?id=102439
武庫川女子大学 教育学部教育学科 教授 中村明美
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