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COLUMN

お役立ちコラム

介護現場での急変対応③

2025.10.20|予防

湖南広域消防局救命救急課

 ケガや病気の中には、少しの注意や心がけにより未然に防げるものがあります。

 救急車を呼ばなくていいように日頃から注意し、心がける意識や行動を「予防救急」といいます。身の周りの危険を事前に確認することや、症状が悪化する前に病院を受診するなど、みなさんの手で、視点で、声かけで「予防救急」を始めませんか。

 身近にある気を付けなければならない場面をいくつか見ていきましょう。

救急を予防する

転倒

 段差につまずきやすく、足を滑らせ転倒してしまう。高齢者が寝たきり生活になる原因の一つに、転倒することによる大腿骨(腰に近い部分)の骨折が挙げられます。

  • 転ばないようにするために
    段差をなくし、滑り止めをつけましょう。
    足を取られる原因になるものを取り除きましょう。
    夜間は足元を明るく照らしましょう。
  • 筋力アップ、バランス感覚の維持
    無理のない程度に運動をしましょう。
  • 骨を強くする
    たんぱく質(肉、魚)・カルシウムを摂取しましょう。
    日光を浴びる機会を増やしましょう(骨の健康に欠かせないビタミンDが体内で生成されます)。

誤嚥、窒息

 食べ物を噛む力や、飲み込む力が衰え、食物等が気管に入りやすく誤嚥や窒息を起こす危険性があります。

  • 飲み込みやすくする
    食物は細かく切るようにしましょう。
    よく噛んで食べるようにしましょう。
    飲み物と一緒に食べるようにしましょう。
  • 特に詰まりやすい食べ物に注意する
    お餅、こんにゃく、硬いお肉は注意して食べましょう。
  • 飲み込む力や吐き出す力を衰えさせない
    舌を動かす体操や、意図的に強い咳をするなど日ごろから意識しましょう。

熱中症、脱水

 体の水分量が少なく暑さ、寒さやのどの渇きを感じにくくなっている高齢者は、気付かないうちに熱中症や脱水症状になることが多くあります。基礎体力の低下から、生死に直結する事態になることもあります。

  • 小まめに水分補給と塩分、ミネラルを摂取する
    トイレの回数を減らすため水分を控えることはやめましょう。
    のどが渇いたと感じる前に水分を補給しましょう。
  • エアコンを上手に活用する
    部屋には温度計を設置し、28℃を超えないようにしましょう。

 ほかにも、お風呂やトイレでの事故では、温度の変化や神経的な反射をもとに、急激な血圧の変動が起こり倒れてしまうことがあり、温度差をなくしたり、排便時過度にいきまないようにするなど心掛けることが必要です。また、心疾患や脳卒中など生活習慣を見直すことで、防げる(リスクを低減できる)病気もあることからも、予防救急への取組みを手助けすることで、生活の質の維持につながります。

湖南広域消防局管内における熱中症発生状況(10月1日現在)


 令和7年中の熱中症による救急搬送件数は、酷暑の影響で増加しました。
 高齢者については、住宅内での発生割合が非常に高い傾向にあります。高齢者の中にはエアコンが苦手な方もおられ、「冷風扇」や「冷感グッズ」などそれぞれにあった提案を行うことが求められます。
 また「暑さはもう終わった」と思っても、脱水症状の高齢者を救急搬送することがよくあります。高齢者は体内の水分量が低いことに加え、トイレの回数が増えるため水分を控えることや、思ったより高い室温であったり重ね着をしたりすることで水分摂取のバランスが崩れることなどから体調不良を訴えられることもあります。声掛けや見守りを継続することが非常に重要となります。

予防救急のすすめ ~救急車を呼ばなくても良いように~

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 介護現場では、急変時の対応が利用者の命を左右することがあります。介護職員は、日頃から観察力を養い、緊急時に冷静かつ迅速に行動できるよう準備を整えておきましょう。

トピックス:室内閉じ込めによる救助出動が増加しています。 


 訪問された介護職員や、近隣住民から「訪れた先で、応答がなく、玄関が開かない。」このような通報が増えています。
 消防では、救急車と同時に救助隊が出動し、関係者と協議のもと窓ガラスを破壊するなど、緊急措置のもと安否確認を行います。窓ガラスを破壊するのはたやすいのですが、緊急措置とはいえ傷病者の容態を確認するまでに時間がかかることや、破壊した後の防犯面が懸念されるなど課題となっています。
 命を守るための活動ではありますが、なかには、「不在」や「就寝中」など緊急性がない場合もあり、結果的に誤報の出動となることもあります。
 もしご自身やご家族が高齢者であれば、日常的な見守りや連絡体制の整備がとても大切です。  

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