湖南広域消防局救命救急課
利用者の突然の急変に立ち会うと、どのような方でもたくさんの事柄を瞬時に対応しないと・・・。と言った心理が働き、慌ててしまうものです。それって、あるあるなんです。
介護現場での急変対応あるある
- あせりがち
パニックになり冷静さを欠いてしまう。急な出来事の対応にはよくあることです。適切に対応できるよう、自分を落ち着かせ行動しましょう。
- 容態変化を見逃しがち
急変の兆候を見逃してしまい、気づいた時には・・。日頃から利用者の状態を細かに観察し、様子の違うことに気づけるようにしましょう。
- 「様子を見よう」としがち
利用者の様子の違いを感じたら早めに119番通報することが大切です。主治医等へ連絡し指示を仰ぐこともあるかと思いますが、救急要請が遅れることの無いよう119番通報を!
- 誤った応急手当と思いがち
手当(対応)が間違ってないだろうか、とついつい傷病者との距離を置くケースも・・・。正しい知識のもと適切な手当を行うことは大切ですが、傷病者の間近にいる方のできることはたくさんあります。まずは傷病者に声をかけ安心してもらうことから始めましょう。
- 情報が交錯しがち
職員間の連携が取れず、通報や連絡体制に遅れが生じることが無いよう事前に役割分担を決めスムーズに対応を!
ご紹介した以外にも思い当たる事柄はまだまだあるかと思います。あるあるに対処する準備を進めるとことが大切です。
日頃からの備え
急変時に適切な対応を行うためには、日頃からの準備が欠かせません。次のようなことは、日頃から繰返しできていますか。
- 定期的な研修の実施
緊急時の対応に必要な知識やスキルを身につけるため、トレーニングや研修に参加しましょう。心肺蘇生法や応急手当などの基礎的な救命処置については、繰返し学ぶことが大切です。
- 緊急マニュアルの作成と確認
施設などで緊急時の手順とマニュアルを作成し、定期的に確認しましょう。緊急時には迅速な対処が求められますので、これらを把握しておくことが大切です。
- 利用者の健康状態の把握
利用者の基礎疾患にかかる情報のアップデートはできていますか?持病や服薬状況の確認、個別に対応が必要な事柄などがあれば整理しておきましょう。
定期的な研修やシミュレーションで、緊急時の対応力を高めるようにすることが大切です。
高齢者福祉施設向け救急ガイドブック
湖南広域消防局では、湖南救急医療連絡協議会にご協力いただき、介護職員のみなさまにご活用いただけるよう、高齢者福祉施設向け救急ガイドブックを作成し、配布しています。
トピックス
「滋賀の救急電話相談(#7119)」と「マイナ救急」が開始されます。
『滋賀の救急電話相談(#7119)』と「マイナ保険証」(傷病者の健康保険証利用済みマイナンバーカード)を活用した、『マイナ救急』(救急隊が病院選定等に必要な情報を閲覧できる取組み)が、令和7年10月1日から開始されます。
- 滋賀の救急電話相談(#7119)
急な病気やケガをしてしまい、「救急車を呼んだ方がいいか」、「今すぐに病院に行った方がいいか」など、判断に迷ったときに、医師・看護師などの専門的な知識を持ったオペレーターが、病気やケガの症状を把握して、救急車を呼んだ方がいいか、急いで病院を受診した方がいいか、受診できる医療機関はどこかなど、ご相談にお答えします。
- マイナ救急
これまでの実証事業を踏まえ、システムの構築および運用を目的とし、全国全ての消防本部で救急隊専用システムの実証事業が実施されます。湖南広域消防局でも10月1日から運用を開始します。
救急救命士が病歴や薬の処方歴などの情報を確認し、病院と連携することにより、救急業務の更なる迅速化などにどのように役立つか検証されます。