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COLUMN

お役立ちコラム

【連載第1報】健康日本21計画と平均寿命、健康寿命

2025.02.18|ヘルスプロモーション平均寿命健康寿命

健康日本21計画について

 西暦2000年に、壮年期死亡の減少・健康寿命の延伸などをねらいとして「健康日本21計画」が策定されました。この計画は、地域住民一人ひとりの自主的健康づくりを地域全体で推進する新たな健康づくり(ヘルスプロモーション)を基本理念としたものです。また、県・市町村ごとにそれぞれ策定されています。

 滋賀県では令和6年度に「健康いきいき21-健康しが推進プラン(第3次)」を策定して、以下を目標としています。

  1. 健康寿命の延伸と健康格差の縮小
  2. 健康づくり

平均寿命について

 厚生労働省が毎年、わが国民の平均寿命を発表しています。令和5年では男81.09歳、女87.14歳となって長寿国となっています。一方、滋賀県では男82.73歳(全国1位)、女88.264歳(全国5位)となっています。

 この厚生労働省が発表する平均寿命は「その年生まれた0歳の子供が後何年生きられるかを推計した平均余命」のことです。実は、年齢によって平均的な寿命は違います。

 図をみると、男女ともに年齢が高くなるほど平均的な寿命(年齢+平均余命)は右肩上がりに高くなっています。

 例えば65歳の人の平均的な寿命をみると、男の場合84.68歳、女の場合89.38歳となって平均寿命よりも高くなっています。0歳の子供よりも65歳の人の方が病気やけがなどの壁を乗り越えたて生きてきた分だけ寿命が長くなるのです。

 しかし、単に寿命が長いことに喜んではいられません。日常生活動作が自立していて、豊かで質の高い日常生活を過ごせる健康寿命が求められています。

健康寿命について

健康寿命は、「健康上の問題で,日常生活が制限されることなく生活できる期間」(WHO)とされています。

 また、令和4年簡易生命表によると、平均寿命は 男81.05歳、女87.09歳となっています。一方、健康寿命は 男72.57歳、女75.45歳となっています。したがって、平均寿命と健康寿命の差は男で8.48歳、女で11.64歳も差があります。

 この差が「健康上の問題で、日常生活が制限される期間」であり、介護が必要な期間を示しています。

 また、健康寿命は県・医療圏・市町村によって格差があります。

 滋賀県の健康寿命は 男73.19歳(全国7位)、女75.82歳(全国14位)となっています。男女ともに全国値より高い値になりますが、地域の風土・風習・文化に応じたヘルスプロモーションを推進して、健康寿命の一層の延伸に期待したいです。

さいごに

 読者の皆様はよくご存知だと思いますが、現在わが国ではがん・心臓病や糖尿病などの生活習慣病が増加しています。ストレス・過食・運動不足・多量飲酒・喫煙など好ましくない日常生活を何年も続けていると40歳以上になって生活習慣病になる確率が急激に増加することが知られています。

 地域の皆様一人ひとりが疾病予防・フレイル予防につながる健康について正しい知識を獲得して、豊かで質の高い生活習慣を身に付けてください。健康寿命を延ばすことが「健康で、生きがいに満ちた、みんなの助け合う町づくり」に繋がっていくからです。

湖南メディカル・コンソーシアム
健康福祉ふれあいセンター
センター長 安西将也

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