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2024.12.27|感染症
感染性胃腸炎は多種多様の原因によるものを含んだ診断名でウイルスまたは細菌によるものを一括して、そう呼んでいます。冬季においてはウイルス性の感染性胃腸炎が例年流行します。今回はウイルス性胃腸炎の中でも、ノロウイルス胃腸炎について解説します。
ノロウイルスは従来小型球形ウイルスと呼ばれていたものが、2002年に正式にノロウイルスと命名されました。季節的には、秋口から春先に流行する胃腸炎や食中毒の原因ウイルスとして知られています。
感染経路は主に経口(食品、糞口)感染で、感染者の糞便・吐物およびこれらに 直接または間接的に汚染された物品類、そして食中毒としての食品類(汚染されたカキあるいはその他の二枚貝類の生、あるいは加熱不十分な調理での喫食、感 染者によって汚染された食品の喫食、その他)が感染源の代表的なものとしてあげられます。
ノロウイルス胃腸炎の主な症状は、嘔吐、下痢、腹痛、発熱、倦怠感などがあります。症状は通常、数日から1週間程度で軽減しますが、特に乳幼児や高齢者、免疫力の低下した人には注意が必要です。もし症状が重い場合や持続する場合は、医師の診察を受けることをお勧めします。水分補給や栄養管理も重要ですので、無理をせずゆっくり休むことが大切です。
予防策としては、手洗いが最も重要です。ノロウイルスは手から口に入ることで感染するため、しっかりと手を洗うことが効果的です。また、食品の適切な調理や清潔な水の使用も重要です。感染者との直接接触を避けることや、感染者の周りの物を避けることも予防策として有効です。
吐物など、ウイルスを含む汚染物の処理にも注意が必要です。ノロウイルス粒子は胃液の酸度(pH 3)や水道水に含まれる程度の低レベルの塩素には抵抗性を示します。また温度に対しては、60℃程度の熱には抵抗性を示します。したがってウイルス粒子の感染性を 奪うには、次亜塩素酸ナトリウムなどで消毒するか、85℃以上で少なくとも1分以上加熱する必要があるとされています。
ノロウイルス胃腸炎は予防が可能であり、適切な対策を講じることで感染を防ぐことができます。どうぞ、ご自身やご家族の健康を大切にしてください。
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